Q1 聴覚障害者にどんな配慮をしたら良いでしょうか
Q2 聴覚障害者は唇の動きで話の内容を理解できるのでしょうか
   また、相手が読話(どくわ)しやすいためにはどうすればいいの

Q3 聴覚障害者との筆談の注意点は?また、筆談の欠点は?
Q4 音の伝わるしくみ
Q5 聴覚障害者・難聴者・ろうあ者はどのように違うのでしょうか
Q6 ろう者は補聴器を付ければ、ことばが理解できるのですか
Q7 伝音性難聴・感音性難聴・混合性難聴の特徴を教えてください
Q8 高齢難聴者とコミュニケーションは?
Q1 聴覚障害者にどんな配慮をしたら良いでしょうか
 

交流の中で配慮する内容を徐々に身に付けてください。一般的には下記の点に配慮してください。

  ■ 耳の不自由な人といってもさまざまです。全く聞こえない人、補聴器を使えば聞き取れる人、話ができる人、話ができにくい人等それぞれ違います。
■ 大声で呼び掛けても聞こえにくいです。そばに行って、肩をたたいたり、正面にまわって、目が合ってから話して下さい。
■ 話しかける時は、相手の前に立って、顔を見てはっきりした口形で話して下さい。
 ※ただし、あまりゆっくり区切りすぎるとかえってわかりにくいことがあります。
■ 聴覚障害者は警笛等が聞こえにくいので、道路を歩くときは、聞こえる人が車道側を歩いてください。
 

 

Q2 聴覚障害者は唇の動きで話の内容を理解できるのでしょうか?また、相手が読話(どくわ)しやすいためにはどうすればいいの
 

 話し手の唇の動きを主な手がかりにして話を理解する方法を読話といいますが、唇の動きで話の内容を読み取るのは大変に困難なことだといえます。日本語を十分に習得している聴覚障害者で残存聴力があり、音声も聞くことができる難聴者に効果があるコミュニケーションの一つといえるでしょう。
 次に、唇の動きは個人差がありますので、慣れる必要がありますし、読話によるコミュニケーションを行う場合は、主に下記の点に注意して下さい。

  @ お互いに1.5mぐらいの距離を保つこと(近過ぎても、遠過ぎても読話は困難になります)

A 照明は、聴覚障害者の後ろから話し手の顔を照らすようにするか、全体を明るくする。 

B はっきりと自然に話すのが最も良い。ゆっくりしすぎたり、強調しすぎると読話は、かえって困難になります。      

 読話は、神経を遣い大変な疲労を伴うものであり、″視線張り付けの刑″と言う人もいるぐらいですから、休憩したり、相手が疲れていないかに注意しながら、中心となる単語を書いたり、簡単な表現に置き換えたりすることも必要ですね。

 

 

Q3 聴覚障害者との筆談の注意点は?また、筆談の欠点は?
 

相手が言語概念を十分に習得しているか、習得していないかを見極める必要があります。言語概念習得後の聴覚障害者であれば、普通どおりの筆談で結構です。もし、相手が言語概念を十分に習得していない場合には、一般的に下記の点に注意して筆談して下さい。

@形容詞や接続詞の多い文章はさけて、短く区切る
A例え話や比喩、会話体の文章はさける
B漢字は適当に使用して、ひらがなだけの文章はさける

  <筆談の留意点>
@ 労力と時間を要すること
A 全体の雰囲気とか言葉の調子で伝えられる細かいニュアンスが伝わりにくい 
B 必要最小限のことしか表現されず、書く人の意図によって不必要と思われることが省略される。
 

 

Q4 音の伝わるしくみ
 

音が耳に入るだけで聞こえるわけではありません。音を感覚としてとらえるまでのルートは下記のように長く複雑です。

   音→ 耳介→外耳道→鼓膜→蝸牛→聴神経→脳→音を感じる
    耳 介 →音を集める集音器の役割
     ↓
    鼓 膜 →空気振動は鼓膜振動に伝えられる
     ↓  鼓膜振動⇒つち骨⇒きぬた骨⇒あぶみ骨(蝸牛に付着)
               耳小骨(鼓膜に付着)
 蝸牛のリンパ液を振動(物理エネルギーから電気エネルギーへ変換して
聞こえた」と感じる)

 

 

Q5 聴覚障害者・難聴者・ろうあ者ということばを聞きますが、どのように違うのでしょうか
 

「聴覚障害者」とは耳の聞こえない人の全てを表しており、身体障害者福祉法では、両耳の聴力レベルが70デシベル以上(健聴者は0〜20デシベル)の人たちに対して使われる総称です。
 医学的に「ろう」といえば「ほとんど聞こえない」状態をいい、「難聴」といえば「少しは聞こえる」という状態をいいます。
 この他にも耳の聞こえない人・耳の不自由な人・耳の遠い人・ろう者・ろうあ者(ろう=耳が聞こえない・あ=話ができない)中途失聴者・聴力障害者など、様々な言い表し方がされています。
 ただ、医学や福祉的な側面以外の考え方で使い分けられることもあります。

  <身体障害者福祉法等級表>
 
6級: 両耳の聴力レベルが70dB以上のもの(40cm以上の距離で発声された会話語を理解し得ないもの)
  1側耳の聴力レベル90dB以上、他側耳の聴力レベルが50dB以上;
4級: 両耳の聴力レベルが80dB以上のもの(耳介に接しなければ話声語を 理解し得ないもの)
  両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50%以下のもの;
3級:   両耳の聴力レベルが90dB以上のもの(耳介に接しなければ大声語を理解し得ない者)
2級:   両耳の聴力レベルがそれぞれ100dB以上のもの(両耳全ろう);
1級:   聴力レベルが2級に相当し、音声言語機能喪失で言語障害3級に該当するもの
 

 

Q6 ろう者は補聴器を付ければ、ことばが理解できるのですか
 

 失聴の時期、聞こえの程度や性質、障害の部位等により補聴器の効果も異なってきます。また、聴能訓練の効果や言語力によっても異なります。
 補聴器を付ければ音は聞こえる場合がありますが、「音」と「ことば」は別です。音は聞こえても、「ことば」としては、理解できないろう者は多くいます。
 補聴器の構造は、下表のようになっています。

 
 

□ 補聴器の構造
 ■ マイクロホン→ 音をキャッチする役割
 ■ 本体(増幅部分)→音を電気的に大きくする役割
 ■ イヤホン→音を出力する役割

□補聴器の種類
  学校等で用いる大型補聴器から携帯用補聴器まで様々なものがあるが小型の携帯用補聴器は下記のような種類がある。
 (ポケット型・耳かけ型・耳あな型・めがね型・骨導式・うめこみ式・FM式)

□ 補聴器装用上の注意
 ■ 補聴器は、眼鏡などと異なり、装用してすぐ効果が表れるものではない。
 ■ 購入する場合は、専門機関に相談して、適した補聴器を選び、訓練を受けるか、又は、静かな部屋での1対1の会話やテレビを見ることから始め、会議場や多くの人が集まるような場所では、慣れてから装用するようにする。

Q7 伝音性難聴・感音性難聴・混合性難聴などと聞きますが、特徴を説明して下さい
 

 音の振動が伝わっていく部分、つまり、伝音系(主として外耳、中耳)に障害のある難聴を伝音性難聴といい、外耳道の閉鎖や中耳炎、鼓膜が破れたりしていることが原因として考えられます。これは、医学的に治療できる可能性が高いものが多いです。
 一方、感音性難聴の場合には、内耳や神経に原因があって、音を感じないことにより起こる障害です。
 現在の医学では治療困難なものが多いです。混合性難聴とは前記の障害が重複した障害です。

  ★ メニエル病→ めまいと共に難聴が生じる
★ 老人性難聴→ 蝸牛毛細胞の減少と、聴神経の減少が主体で、ことばの弁別ができにくい特徴があり、60〜70歳でかなり低下し4000Hzで著しく低下
★ 突発性難聴→ 原因不明で発生するが、大多数は一側性である
★ 騒音性難聴→ 騒音下に永年いることにより起こるもので職業性難聴とも言われる
★ 音 響 難 聴→ 爆発や発砲など巨大音で起こる難聴
★ 薬物による難聴→ ストレプトマイシン、カナマイシンなどの抗生物質の注射による
★ 心因性難聴→ ストレス等による難聴
 

 

Q8 最近、一緒に暮らしている祖父の耳が遠くなってきたようです。どのようにコミュニケーションすればいいのでしょうか
 

 老人性難聴は高齢になって、耳の細胞の劣化により起きるもので、年をとれば誰にでも起こりうる難聴です。かつて聞こえていたため、「聞こえなくなった」ことが受け入れられず、閉じこもりがちになることもあります。家族や周囲の方々の理解と暖かい応援が大切です。

  〔老人性難聴の特徴〕
・感音性難聴で後天性難聴です。
65歳〜75歳の方の30%、75歳以上の方の40〜50%は両耳とも聴力が低下し、高い音が聞き取りにくくなり、低い音は正常に近く聞こえます。
・補聴器を付けることで聞こえが改善されますが、完全に聞こえるようになるわけではありません。
・低い音や近くの音は比較的聞こえやすいですが、高い音や遠くの音は聞こえにくいです。
・ 難聴者1人1人、聞こえ方が違います。「Aさんの声は聞こえやすいが、Bさんの声は聞こえにくい」「電話はできるが、対面して話すとわかりにくいときがある」など。
  〔難聴者と会話するときの留意点〕
■ 聞こえないことを隠したいために、聞こえるふりをしたり、人と話し合うことを避けたりする人もいます。
■ 「話せる」=「聞こえる」と思われて、誤解が生じることがあります。
■ 話しかけるときは、まず視界に入り、合図をしてから、口の動きがわかるようにして話しかけて下さい。
■ 補聴器を付けていても、完全に聞こえるわけではありません。また、補聴器を付けている方に大声で話しかけると、音が割れたりして、かえって聞こえにくくなります。
■ 補聴器を使用している方と話す時は、できるだけ静かな場所で、1対1で話す方がわかりやすいです。
■ メモや筆記具を用意し、気軽に書いて伝えて下さい。