サークル指針②手話サークルに対する方針一部変更

大聴協     号

平成 年 月  日

手話サークル会長  殿

社会福祉法人

大分県聴覚障害者協会

理事長 田口  一市

手話通訳に対する当面の方針(試論)についての一部変更について

  時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

  日頃より聴覚障害者福祉向上のためにご尽力いただき深謝申し上げます。

  さて、別紙(写)の手話通訳に対する当面の方針について手話サークル宛に通知したところですが、手話講師派遣について一部方針の変更をしたいと考えております。 

  つきましては、12月中頃までの間にサークルで検討いただき、何か意見がありましたら12月20日までに協会にお寄せください。

  お寄せいただいた意見を再検討して、来年の1月初旬には変更後の方針を会長宛てに通知いたします。                       

  なお「手話通訳に対する当面の方針」につきましては、しばらくの間は皆様の意見を参考にしたり、聴覚障害者を取り巻く福祉の動向と関連して、変更することもあると思いますので、今後ともご協力をお願いいたします。

  なお、変更の理由は下記によります。

従来は「市町村レベルの手話指導や講演、通訳派遣」は地域でという方法で進めてきましたが、下記の問題が出てきましたし、法人の定款も変更したので一部を変更しました。

① 任意のボランティアグループが手話指導や通訳により謝金を得たりすることはボランティアグループの性質上合わないのではないか。

② サークルによる講師の選定が必ずしも公平でなく、聴覚障害者講師への依頼がなかったりして、不満を持つ聴覚障害者が出てきている。

③ 手話サークルを派遣窓口とし、県協会は地区聴覚障害者協会と協議のうえで派遣という指導をしてきたがこの指導が徹底していなかった面もあり、地区聴覚障害者協会の活動発展等を考慮した派遣コーディネートは県聴覚障害者協会が行なう方が適切ではないか。

④ 社会福祉法の変更により、「手話通訳事業」が新たに認められ、当法人の定款にも「手話通訳事業」を加え「講師派遣」や「通訳派遣」を法人の事業として開始するようになった。

⑤通訳派遣制度や通訳者養成事業が不十分な時代には、手話サークルが養成や派遣業務を担ってきたが、法人での対応が可能であるし通訳派遣制度が整ってきた現代においては、手話サークルは派遣等の窓口になるのは不適当である。

手話の指導について

1) 市町村行政、社会福祉協議会、公民館、企業などが主催する手話講習会

①継続開催=従来どおり県聴覚障害者協会が派遣を行なう

②1回のみ=市町村手話サークルや市町村社会福祉協議会等が窓口となって講師派遣を行なう=下記に変更

県聴覚障害者協会が派遣窓口となり、当該市町村や隣接する地域の聴覚害者協会支部や手話サークル会員の中から適当な者を講師として派遣する。 必要に応じて地域聴覚障害者協会支部や手話サークルと協議するものとする。

2) 教育機関(幼稚園、小中高校、短大、大学、専門学校)

①継続開催=従来どおり県聴覚障害者協会が派遣を行なう

②1回のみ=市町村手話サークルや市町村社会福祉協議会等が窓口となって講師派遣を行なう=下記に変更

県聴覚障害者協会が派遣窓口となり、当該市町村や隣接する地域の聴覚障害者協会支部や手話サークル会員の中から適当な者を講師として派遣する。 必要に応じて地域聴覚障害者協会支部や手話サークルと協議するものとする。 ただし、予算措置がないものについては地区聴覚障害者協会と手話サークルが協議して講師派遣を行なう。地区聴覚障害者協会のない地域の手話サークルはサークル内で十分に協議すること。

3) 講演会等(手話技術指導でなく、講演が中心となる場合)

①県レベル=従来どおり県聴覚障害者協会が派遣を行なう

②市町村レベル=下記に変更

県聴覚障害者協会が派遣窓口となり、当該市町村や隣接する地域の聴覚害者協会支部や手話サークル会員の中から適当な者を講師として派遣する。 必要に応じて地域聴覚障害者協会支部や手話サークルと協議するものとする。

手話通訳に関して

1)団体からの通訳県内全域を対象とした大会や主催者が県レベルの団体=従来どおり県聴覚障害者協会が派遣を行なう

市町村を対象とした大会や主催者が市町村レベルの団体=下記に変更

県聴覚障害者協会が派遣窓口となり、当該市町村や隣接する地域の聴覚害者協会支部や手話サークル会員の中から適当な者を講師として派遣する。 必要に応じて地域聴覚障害者協会支部や手話サークルと協議するものとする。

2) 個人からの通訳依頼

① 中津市②臼杵市③津久見市④佐伯市在住聴覚障害者は市役所等が依頼窓口

上記の①~④以外は全て県聴覚障害者協会へ通訳依頼してください

従来までは聴覚障害者→手話通訳者→県聴覚障害者協会へ派遣報告書提出という形もある程度認めてきましたが、市町村合併等の問題もあり、今後は必ず下記のシステムを徹底していきたいと考えていますのでよろしくお願いします。急病や交通事故等の緊急の依頼については、事後報告も可能ですが、それ以外のものについては必ず県協会へ派遣依頼するというシステムです。

聴覚障害者→→県聴覚障害者協会→手話通訳者→派遣報告書提出

個人的な通訳活動は通訳派遣制度の発展を阻害しかねませんので、必ず慎むようにお願いいたします。