通訳指針③大会・会議等における手話通訳における手話通訳に対する指針

大会・会議等における手話通訳に対する指針

(平成31年3月17日 第65回理事会で承認)

①既存の手話で対応する努力と工夫をして通訳することに留意してください。 それは、対象者が特定されていないテレビ通訳の場合に手話表現がより幅広い対象者を想定した表現になります。
②当該手話が居住地の多くのろう者が日常的に使っており、地域に定着していると推測される手話であることを判断して、手話通訳者は地域のろう者が使っている手話の表現を心掛けること。 また、手話通訳者は地域の手話を積極的に学ぶ姿勢を持つように心懸けて、地域のろう者との交流をすること
③通訳する時に、最初から新しい手話を表現するのでなく、表現する手話単語に類似した「ことばの置き換え」で対応する能力を高める努力をすること。
④表現する手話が地域に定着していないと思われる場合は、当該手話の表現は当面控え、当該手話が地域に根付いたと判断されるまで使用は控える。 当該手話が地域に定着しているかどうかは、地域のろう者との交流の中で判断する。
⑤「手話の標準化」と「地域手話の使用」に関する整理 ア)新しい手話の造語や普及定着活動については、否定していません。 イ)通訳場面、通訳対象者に合わせて手話の使い分けをしていくこと。 ウ)ろう者の社会進出により、新しい手話が作られてきていますが、ろうあ者の中に「言葉として根付いていくまで」手話通訳者は慎重に通訳する姿勢を持ってください。 エ)手話通訳者は地域の手話を「継承」「尊重」「保存」する姿勢を持ってください。
⑥手話通訳者は原則として、地域で使われている手話を基本にして、情報提供をすること。 新しい手話を多用しても地域で暮らしているろう者の生活に結びついていなければ、手話通訳の意義が疑問視されかねません。