手話通訳者の資格と報酬について
当法人は手話通訳者派遣事業を県下全市町村から受託しています。
昭和45年に手話奉仕員養成事業が開始され、大分県は昭和52年に家庭の主婦等を中心に「手話奉仕員派遣事業」が実施されました。
しかし、手話通訳は「言語通訳であり、ボランテイア的視点」では対象者と通じる「通訳者」の養成は困難であり、長年の手話ボランティア的発想を止めて平成11年から「手話通訳者養成カリキラム」が厚労省から出されました。
ただし、根本的に「手話通訳はボランティアで十分」との考え方は以前と変わらないままでした。
全国の市町村に設置されている手話通訳者の70%以上が臨時、嘱託職員で、給与は15万程度で職業として社会的に認知されているとは言い難い状況にあります。
手話通訳士資格取得者は平均10数年かけて資格を取得します。
しかし、資格を取得しても市役所の給与が上がるわけでもないし、年齢や諸事情から通訳訳関係の活動から去っていく者も少なくありません。市町村から事業を受託している当法人も「ボランティア的」視点では事業の拡大や将来的展望が持てないと考え、市町村主管課宛に手話通訳者の資格と報酬について平成30年度からランク付けをすることを要望しています。
①手話通訳士資格取得
②全国手話通訳者統一試験合格者
③大分県手話通訳者認定試験合格者
④登録手話奉仕員
上記①~④の手話通訳者について「登録手話通訳者」の名称で有資格者の資格に応じた報酬を支給してき ませんでした。
そして、その考え方は一般県民、行政関係者、ろう者自身、当事者の手話通訳者自身の意識の中にも「手話はボランティア」の意識が潜在的にあり、「手話通訳の専門性」についての理解が進まず、市役所等 に設置される手話通訳者の身分保障も30年前と変わらない状況が続いています。
これは「手話通訳士の資格を取っても中のメリットがない」
「手話通訳士の資格を取っても生活ができる給与が保障されない」等の声となっています。
本来であれば平成元年に手話通訳士試験が開始され、累計合格者が約3,400人います。
「手話通訳士」の国家資格化が求めているがなかなか進まない。